丸だったり、四角だったり、三角だったり。
見る人によっては違うもの。感じ方なんて人ぞれぞれ。
答えはひとつじゃないんだよ。世界もたくさんの姿を持ってる。
それが一生のうちにどれだけ見れるか、それも人それぞれ。
たくさん見る人もみれば、ひとつしか見ることが出来ない人もいる。





「つまりさ、たくさんのことを経験しなさい……ってことかなぁ?」
自分から言い出したはずなのに、何故か最後は疑問系。
俺に問われても……困る。
俺は世界をほんの一部しか知らないと、キラさんが言った。
実際に見てみると何かを感じれるかもしれない、というキラさんの提案で俺はキラさんと一緒に世界を見てみたいと思った。

「貴方はたくさんのことを経験しているのですか?」
「ううん。僕だってそんなに多くのことを経験しているわけじゃないよ。そうだな……君よりは少し、ほんの少しだけど多くのことを経験しているくらい、かな」
……そうなのだろうか?
キラさんの瞳は誰よりも澄んでいるようで、誰よりも深い色をしている。
飲みこまれてしまいそうだと感じることが時々ある。
それは例えるなら……そう、世界の全てを知り尽くしたようなそんな色。
世界の綺麗なところも、汚いところも知っているような。キラさん以外にこんな色見たことがない。
それでもキラさんは言う。「僕も君も世界の一部しか知らない」と。
それならば、世界はどれだけ大きいのだろう?
人によっては大きさすら違うのだろうか?
俺の世界はキラさんに助けてもらうまでは、多分とても小さなものだった。
世界が大きいとか小さいとか、感じることなんてなかったし、俺の中では世界という存在すら曖昧なものだった。

キラさんと話すようになってたくさんの疑問が生まれた。

世界って何だろう?
「世界かぁ。うーん……難しくて僕には一言では言い表せないよ」

俺って何だろう?
「だから、君は君だよ。それ以上に何があるの?」

貴方って何だろう?
「僕は僕。君が君であるように、ね」

キラさんの回答は簡単だけれど、どこか深くて、ちゃんとした『答え』はくれない。
いつも『答え』を探させるような、そんなものだった。


「僕も君みたいにわからないことだらけでさ。答えが知りたいから君といっしょに探してる最中なんだよ」


誘ったのは貴方。
誘われて答えたのは俺。
答えを探すのは、お互い。

『同じ答えじゃなくたっていい』
そう教えてくれた。
だから俺は俺の答えを探している真っ最中なんだ。
貴方となら探せるような気がする。……探し出してみせる、俺だけの『答え』を。






とりあえず、前を向いてしっかり一歩ずつ歩く。

でも、たまによそ見したりすると、今までは見えなかったものも見えてきたりして。

寄り道もいいよね。
だって、先を急いでいるわけではないのだから。
たくさんのものを見て、たくさんのことを感じて、たくさんのことを知る。
たくさんのものが溢れるこの世界で何もしないなんてもったいないよ。
だって、僕たちは今を生きてる。フルに活用しないと!
僕も君も知らないことが多過ぎるんだから。




それと。
……世界には優しい光もあるんだよ。

「光の射す方へ行こうか?」
「……俺は貴方の言う『光』には不釣り合いです」

その光は君にも僕にも、きっと降り注ぐはず。

――だから、光を恐れないで。


今はただ前を向き、歩く。それでいい。
でも、いつかは自分に降り注ぐ光の存在に気付いて?


光は恐れるものではないのだから。


-end.



後書き。
レイキラで10題のお題に挑戦!の記念すべき(?)第一弾です。
本当は01〜10をちゃんと順番どおりに書いていこうと思っていたのですが、最初に出来上がったのが04でした。
しかもかなりの短さに加え、レイキラっぽくない感じ漂ってます。……駄文なのはいつも通りだから今更気にしない(笑)
次にアップするものはもう少し長くてレイキラっぽい感じにしたいです。
とか書いてみましたが、この10のお題では、レイキラ……だよね?程度のレイキラだらけになると思います。
何てったって、『未来に向かう』なので。
とりあえずは、はじめの一歩的なものばかりになる予定です。




2005/10/16