「……キラ、そんなところで寝ちゃだめだっていつも言ってるだろ?」
ソファでうたたねしているキラに声をかける。
とても気持ちよさそうにすやすやと寝ているキラ。
起こすのがかわいそうな気もするけれど、こんなところで寝ていたら風邪をひいてしまうかもしれない。そうなると辛い思いをするのはキラだ。
「キーラ。起きろって」
肩を揺さぶってみても反応はない。
キラは一度眠ってしまうとなかなか起きない。
あまりにも起きなくて本気で心配したことがある。
――もしかして、このまま目覚めないのでは、と。
眠り姫になられては困る。
俺はキラと一緒に生きていきたいのだから。
「キラ?もうすぐケーキ、出来るよ」
耳元で優しく囁く。
夢の中のキラに届くように。
俺の声に反応したのか、甘い匂いに反応したのかわからないけれど、キラが身じろぐ。
……前者であってほしいけれど、多分後者だろう。
「んー……アス…ラン?」
「ほら起きて。早く起きないとケーキ、キラの分まで俺が食べちゃうからな」
まだ寝ぼけているキラの頭を撫でてやる。
理由なんて無い。ただなんとなく、手が勝手に動いた。
おとなしくなってまた眠ってしまったのかと思っていたキラが、突然クスクスと静かに笑い出す。
「どうしたんだ?」
「なんでもないよ。ただ、なんか楽しくなっただけ」
キラはそう言いながら頭を撫でている俺の手をつかむ。
そして、お互いの手を合わせる。
「……幸せだなぁって」
「え?」
「僕、今すごく幸せだなぁって改めて思った」
「どのくらい?」
「わかんない。そうだなぁ……世界で一番とか?」
ニコニコと小さな子供のような表情をするキラ。
「アスランといっしょにいられるなら、僕はどこでだって幸せになれる自信あるよ」
――かなわない、と思う。
不意打ちのようなキラの一言に嬉しくなってしまう。
だからこそ一言一言がとても大切で。
一日一日も大事。
たった一瞬でも大事。
そう、君と二人なら何だって大事。
「俺もキラがいっしょなら世界で一番幸せだよ」
「僕が世界で一番なの!だからアスランは二番ね」
こういう会話をしていると幼い頃を思い出す。
キラはあの頃から変わっていないところがいくつもある。
そんなキラをとても愛おしく思う。
「はいはい。……ほら、いい加減起きろって。ケーキ食べるんだろ?」
「うん。僕、ケーキ大好き」
君と二人なら俺の瞳に映る世界は輝き続ける。
だから、ずっと二人このまま時が過ぎていけばいい。
君と二人なら、誰よりも世界を愛せる。
……君がいるこの世界を。
キラが好きだよ、どうしようもないくらい。
-end.
後書き。
アスラン誕生日おめでとう。ということでアスキラ書いてみました。
今日中にアップ出来てよかった。これで安心して私もケーキが食べれます(´∀`)
これもぐだぐだ感ただよってます。……いつものこといつものこと(コラ)
後書きというか言い訳というか……毎回そんな感じになってしまう後書き。精進せねば。
2005/10/29