ささやかなる願いを
「キラ」
「イザーク」
ただ名前を呼びあうだけで、自分と君を確認出来て。
手をつなぐだけで、嬉しくて。
抱きしめてもらうだけで、安心して。
だけど 独り は コワイ。
だからお願い。僕を独りにしないで…
――でもこれは、こんなことは君には言えないよ…
今日、イザークはお休みらしくてずっと僕と一緒にいてくれてる。
「キラ、調子はどうだ?」
「うーん、昨日よりは良くなった…かな」
僕は昨日から少し調子が悪い。
…多分、一昨日の夜眠れなかったから。
それから、昨日の夜にイザークが帰ってくるまでずっと眠れなかった。
いつもはこんなこと無いんだけど、一昨日は何故か眠れなかった。
もしかしたら、あまりに急だったから不安だったのかもしれない。
急にイザークに通信が入って、「すぐ戻る」とだけ告げて行ってしまった。
不安に、襲われた。
もしかしたらイザークはここへは戻ってこないかもしれない。
…ううん、そんなことない。でも――
不安ばかりが大きくなっていって眠れなくなってしまった。
――次に目が覚めた時に君がいなくなってしまったら僕はどうすればいい?
そんなことをずっと考えていて眠れなかった。
いや、眠りたくなかったんだ。
「今日はずっと一緒にいられるから安心して休め」
そう言って僕のことを抱きしめてくれる。
「うん。…ねぇ、イザーク」
「何だ?」
「僕、迷惑…かけてる、よね。ごめんね」
ごめんね。君に僕は何もしてあげられない。僕は与えられるばかりで、何も返せていない。
「…俺はお前に何度も救われた。返しても返し足りないほどのものをお前からもらった」
「そんなこと…ないよ。僕は何もしてな「俺はそう思ってる。それで十分なんじゃないか?」
「え…?」
「お前は何でも深く考え過ぎだ。前から言ってるだろう。お前はお前だ、と」
僕は僕…。
イザークは僕のこと迷惑って思ってないの?
僕は君にあのコトを言ってもいいのかな…。
たった1つの、でも君を困らせてしまうような願いを。
「1つだけ、お願い…してもいい?」
「1つでいいのか?」
「うん。あのね…独り、が恐いんだ。それでね、えっと…僕を出来るだけ独りにしないで欲しいんだ」
あぁ、言ってしまった。君はどんな風に思うかな…。
「そんなことでいいのか?俺はお前が望むのならいつだって一緒にいてやるぞ」
「え?…でもイザークっていろいろ忙しいんじゃないの?」
「そんなものどうにでもなる」
君はこんなに僕のことを考えてくれてる。
このままの僕じゃいられない。僕も頑張らなくちゃ。
いつまでも君に頼ってばかりなんて駄目だよ。
「ううん。やっぱりイザークはイザークのやるべきことをやって。君には出来ることがたくさんあるでしょう?」
「しかしそれでは…」
「僕にもきっとやれることが何かあるはず。…それを探したいんだ」
そう、僕だって何か出来ることがあるはずだよ。
「そうか……そうだな。お前のやれることはある、きっとな」
「うん、ありがとう」
今はまだ君みたいに強くはないけど、いつかきっと。
だけど…もし、壁にぶち当たったりして進めなくなったり、立ち止まってしまった時には、そっと背中を押して欲しい。
いつも一緒にいたい、とか。
独りにしないで、とか。
思ってるよ、いつも。
だけど、それは本当に弱くなってしまった僕限定。
そんな時はきっとイザークなら気付いてくれる。
君は優しい人だから。わかるよ、僕の大好きな人だからね。
「これから頑張るためにもゆっくり休め。今日はずっと一緒にいられるしな」
――これから頑張るために、今の僕のささやかなる願いを……
-end.
後書き。
失敗ー。なんかグダグダな感じ。
まさに駄文。…どうなの、これ。
イザキラ好きなのになぁ…
次、書くイザキラはもっといいのを書けるといいな。
『種デスが今日からスタート記念』っぽいイザキラ駄文でした。
あと数時間後に種デスが始まりますvv
内容は全く関係ないけどね…
2004/10/9