「アルベル、好きだよ」
だって本当に好きだから、伝えたい。
だけど、アルベルはなかなか言ってくれない。
僕のコト好きじゃないのかな?
――そんなこと僕は無いと思いたいんだけどなぁ…
今日は朝から特に用事も無いから、ふたりで出掛けてみることにした。
「今日は何しよっかなぁ…アルベル何かしたいこととか無い?」
「…別になんでもいい」
つれない。何しようかなぁ…別に何かしたいわけでもないんだよな、僕も。
本当どうしよう…。
「じゃあ、ふたりでぼーっとしようか」
「はぁ!?」
「だってアルベル何でもいいって言っただろ」
「…」
結構こういう時はなんだかんだ言いつつ、付き合ってくれるんだよな。
実は優しいんだよねーvv
これきっと他の誰も知らない、僕だけが知ってることだろうな。なんかこういうのって嬉しいよね〜。
「あ、やっぱレベル上げに行く?」
「…駄目だ。お前昨日の怪我治ってねえだろ」
「え?大丈夫だよ」
「駄目と言ったら駄目だ。無理して後で苦労するのはお前なんだぞ。俺も迷惑だ」
「迷惑…かな?」
「迷惑だ。お前が傷つくのは…困る」
……え!?それはどうとればいいんだろ?
僕の思った通りに、良い方にとっていいのかな…?
「わかったか?もう帰るぞ。どうせ用事なんかねえんだろ」
僕がいろいろ考えていたらアルベルはそう言って僕の前を歩き出す。
「うん」
おとなしく従うことにした。
あんな嬉しいこと言われたら、なんかもう、どうでもよくなってしまった。
今日はアルベルと一緒にいられるなら、何したっていいや。
泊まっていた宿屋に帰る途中、ひとつだけ聞いてみることにした。
「ねぇ、アルベルはさ、僕のこと…どう思ってるの?」
ずっと聞けずにいたこと。
でも、ずっと気になっていたこと。
「そんなことが聞きたいのか?」
「う…うん。」
そんなこと…か。アルベルにとってはそんなこと、なのか。なんか…ショックだな。
「…お前はどうなんだ?俺のことをどう思ってるんだ?」
「ぼ、僕!?僕はアルベルのこと大好きだよ」
「どのくらい?」
「え…えーと、そうだなぁ、アルベルは世界でいち……ぅん」
言いかけていたところを途中でアルベルの唇に塞がれてしまった。
いつも急にキスをしてくるアルベル。それは別にいい。むしろ嬉しい。
でも、こんな時にしなくても…
「ん…ちょ、ちょっとアルベル!何するんだよ!?まだ言い終わってないよ!」
唇を離されてすぐに抗議する。
だって本当にまだ言い終わってなかったから。
だけど。
僕がアルベルから離れようとした時、アルベルが僕の耳の近くで囁いてきた。
「わかってる。俺だってそうだしな。世界でいちばん、だろ」
「え、うん。でもさ…」
「何だ、お前は言葉じゃ信じられないのか?」
そう言うと、アルベルはまたキスしてきた。
「ん…はぁ。そんなこと言ってないだろ。ちゃんと、信じてる」
「言葉だけがすべてじゃねえけどな」
そう言いながらアルベルは口の端をつり上げる。
「今日はダメだよ。明日早いんだからな」
「…明日の夜が楽しみだな」
「…っ。もう…///」
その日はアルベルに抱きしめられながら眠りについた。
暖かくて、寝心地が良くて…幸せだった。
抱きしめられると安心する。
キスされると愛されてることを再確認する。
アルベルはあまり「好き」とか言ってくれないけど、いつでもちゃんと行動で示してくれてる。
僕はキミの愛に応えられているのかな?
大好きなキミに伝えられてるかな…
気になっていたこと。不安だったこと。
でも今日アルベルが言ってくれた、『世界でいちばん』だと。
ちゃんと伝わっていたんだね。
僕が『せかいでいちばんきみがすき』なことを。
-end.
後書き。
ちゅー。初めてキスしてるとこ書きました。ハイ。
なんだかドキドキした(笑)
こんな私には当分エロは無理なんでしょうねー
今のとこはエロは読む専門デス!
…でもいつか書いてみたい、エロ。
エロ多発な後書きでごめんなさい…
2004/ 8/ 1